HACCP(ハサップ)義務化 ― 違反すると罰則は?!
2021年6月より日本で完全義務化された衛生管理手法「HACCP(ハサップ)」。原則として、すべての食品関連事業者に義務付けられることになりました。「完全義務化」ということは、従わない場合に「罰則」があるのかどうか、気になる所かと思います。今回はHACCP導入に違反した場合の罰則の有無についてご紹介します。
■HACCP(ハサップ)義務化はいつから?
2018年6月、「食品衛生法」の改正法案が可決され、2020年の6月から食品を扱う全事業者に対してHACCPによる衛生管理の義務化が開始しました。2020年の法律施行から1年間は猶予期間として設けられ、2021年6月からは、HACCP導入・運用が完全義務化となります。
つまり、既存事業者は2021年6月までにHACCPを導入・運用しないといけませんし、2021年6月以降の新規事業者も、HACCP導入・運用を念頭に置いた設備・制度を検討しなければなりません。
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■違反した場合の罰則について
2020年12月時点では、HACCP導入違反による罰則は定められていません。ただし、食品衛生法には次の罰則が設けられています。
●食品衛生法 違反
3年以下の懲役または300万円以下(法人は1億円以下)の罰金
また、都道府県で今後、HACCP導入に関するルールが策定されることも考えられます。それに合わせて、導入違反に対する罰則を作る場合、「地方自治法」を元にすることが可能性として高いです。「地方自治法」には、地方自治体の定めるルールに違反した場合、次の罰則が設けられています。
●都道府県が定めるルールに違反した場合
2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(地方自治法より)
明確な罰則が設定されていないとはいえ、HACCPは食品製造の衛生管理を工程ごとに細かく設定できる重要なシステムです。導入せずに事業を運用するのはリスキーですし、万が一、食品事故が起こり食品衛生法自体の違反になった場合は、「3年以下の懲役または300万円以下(法人は1億円以下)の罰金」という非常に重い罰則が課せられます。
それだけでなく、社会的な信用失墜・営業停止・HACCP先進国への輸出停止となる可能性も考えられます。結局は、食品の徹底した衛生管理のためにHACCP導入を無視することはできません。気になる方は最寄りの保健センター等に問い合わせてみるのが良いでしょう。
■HACCP(ハサップ)義務化 ― 違反すると罰則は?! まとめ
2021年6月までの導入が義務付けられている衛生管理手法HACCP。HACCP導入違反に対しての罰則は、2020年12月時点では設けられていません。しかし、都道府県が独自に定めている基準がある場合や、食品衛生法に違反した場合は罰則を受ける可能性があることに注意しましょう。
●食品衛生法 違反
3年以下の懲役または300万円以下(法人は1億円以下)の罰金
●都道府県が定めるルールに違反した場合
2年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金
この様に、HACCP導入をせずに事業を運用するのはリスキーです。また、今後は食品に対する衛生管理の水準が、より高くなっていくことが予想されます。その中でHACCP導入は業界の常識となるでしょう。
2021年6月のHACCP完全義務化を好機と捉えて、改めて自社の衛生管理を見直してみるのはいかがでしょうか?
※参考:厚生労働省「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」
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